SOLUTION課題解決

特集 DX推進室

栃木銀行らしい『ハイブリッド型DX』とは?

 社会のデジタル化が急速に進む中、栃木銀行ではICT・デジタル技術を活用したビジネスの変革「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を重要な戦略と位置づけています。その取り組みを加速するため、2022年4月1日に「DX推進室」を新設しました。DXとは単なるIT化やペーパーレス化にとどまらず、さらに一歩進んで「新たな価値」や「新たなビジネス」の創出に挑むものです。

 栃木銀行が目指すDXの特徴は、いわば対面とデジタルの『ハイブリッド型』。これまで地域密着でお客さまとの間に築き上げてきた対面の接点は、栃木銀行の強みです。そこにデジタルの接点を加えることで、お客さまとのつながりをさらに強化するのが目標です。

 私たちはデジタルに不慣れなお客さまに対面でわかりやすくご説明することが重要であり、これは地域金融機関だからこそできる役割だと考えています。一方、なかなか銀行に来る時間が取れないお客さまに、ホームページやアプリを通して栃木銀行の幅広いサービスを知っていただくことで、例えば「資産運用の提案をしてくれるなら、ちょっと話を聞きに行ってみようかな」と、対面での相談につなげることもできます。このように、お客さまに栃木銀行をさらに便利にご利用いただけるようサービスの拡充を図っていきます。

営業統括部 DX推進室 室長 森山 仁 チームを取りまとめ、関連部署との連携を図りながらDXによる業務変革を牽引

事業者向け新サービスの提供開始

 今や事業者にとって、デジタル化の波に乗り遅れることは、生産性やビジネスチャンスにおいて深刻なダメージとなる時代です。そこで栃木銀行では2022年9月に、まだデジタル化が進んでいない小規模事業者や個人事業主でも導入しやすい「事業者向けDX支援サービス」の提供を開始しました。これはすでに運用している法人向けインターネットバンキングを活用し、「資金管理」「請求書管理」「業務効率化」などのサービスを提供するものです。

 このサービスをどのお客さまに提供すれば、どのような課題解決につながるか。ニーズを掘り起こす上で、日頃の対面営業が力を発揮します。もし融資の相談中にお客さまから「経理を任せていた人が退職してしまって大変」という悩みを聞いたら、「このサービスを使えば、紙の請求書を自動でデータ化できますよ。他行の口座情報も一元管理できますよ」とご提案することができます。

 今後、栃木銀行のデジタルサービスはますます多様化していくため、行員がきちんと知識を身につけておくことも重要です。DX推進室では、研修の充実化などを通じて、行員のITリテラシー向上にも取り組んでいく予定です。

営業統括部 DX推進室 係長 篠原 亜沙美 AI・データ活用をはじめ、スマホ向け銀行アプリの機能強化や配信業務を担当

「便利さ」と「信用」を極めるために

 やがて、あらゆる年代のお客さまがスマートフォンで銀行取引をする時代が到来するでしょう。ただしどんなに素晴らしいサービスでも、お客さまにとって本当に使いやすいものでなければ意味がありません。そのため、どのようなアプリ機能が求められているのかについてニーズを汲み取り、お客さまの要望が多かった機能を拡充していく方向で進めています。

 一方で、こうしてデジタルサービスが浸透して生活に欠かせないものとなっていけば、ネットワークの安定性やセキュリティの高さがますます重要となっていきます。お客さまの大切なお金を預かる銀行にとって、「信用」は命。そのためDX推進室は、事務システム部、コンプライアンス統括部、リスク統括部などの専門部署と連携し、セキュアなサービス提供に力を注いでいます。

 今後もDX推進室が中心となり、栃木銀行らしい「顔の見えるデジタルサービス」を地域に浸透させていきます。その中で私たちが期待しているのは、学生の皆さんのような“デジタルネイティブ世代”の感性や着眼点です。ぜひ皆さんの柔軟な発想で、栃木銀行に新しい風を吹き込んでください。